【科博クラファン】バックヤードツアー化石コースに行ってきました。

イベント
バックヤードツアー【化石コース】(筑波研究施設)

こんにちは。
古生物部屋のSayakaです。
今回は国立科学博物館。
クラウドファンディングのリターン、バックヤードツアー【化石コース】についてです。
筑波研究施設に行ってきたので観てきたものを書きます。(ブログは一部を除き、研究施設内で撮影した写真の掲載が禁止です。別の写真をイメージとして代用。「注釈」をつけています。)

バックヤードツアー開始前

2023年12月9日、午前の部に参加しました。
10時15分頃、研究施設に到着。
収蔵庫とは別の部屋に参加者が集合し、10時30分には注意事項等の説明を受けました。
説明が終わるといよいよ収蔵庫に移動です。

収蔵庫内の様子

哺乳類化石

現生の海洋哺乳類の骨に始まりいろいろ観ることができました。
脊椎動物などの化石は約2万点収蔵されているようです。
甲能先生に案内していただきました。

現生動物を所蔵、観察する意義

動物園から運ばれた現生動物の骨は栄養状態が良いので野生の動物に比べて大きくなりやすいようです。
古生物の研究では現生動物との比較が大切で、成長段階、雌雄差、栄養状態、など様々な比較資料になるため現生動物の骨も大切に収蔵しているとのこと。

伏龍骨図の元になっている化石

伏龍骨図のレプリカ(イメージ)

注釈.これは千葉県立中央博物館で展示されていたレプリカで、科博の研究施設で撮影したものではありません。

千葉県立中央博物館で観た伏龍骨図。
その化石がありました!


「顎の影、穴、精巧に描かれていることがわかると思います。
張り出しているのは下顎頭。顎がくっついているところです。」



人々が龍だと思っていたのは情報ネットワークが発達していなかったから。
そしてインド象が日本に来た際も一部の人しか見る機会がなく、龍だと考えられたようです。

甲能先生の解説を聴きながら、ラックに貼られた縮小版の伏龍骨図と見比べるととても面白い。
これだけ精巧に描かれていて、象の存在を知らない。
そんな人々が見たら龍だと認識するのも無理はないと思いました。

デスモスチルス・ジャポニクス(ホロタイプ)

デスモスチルスの上顎骨レプリカ(イメージ)

注釈.これは地質標本館で展示されていたレプリカで、科博の研究施設で撮影したものではありません。

すごいものを観ました。
デスモスチルスの実物化石、しかもホロタイプ。
こんな感じで収蔵されているのか!と思いました。

レプリカと合わせて科博収蔵庫のストーリーや保存の大切さを知りました。


関東大震災により、デスモスチルス実物化石の吻部が折れて破損した。
しかし破損前にレプリカに残していることで研究を続けることができた。



レプリカに残すのは自然災害への備えという観点からも特に重要なことなのですね。
この化石には厚さがわずか数ミリの箇所もあるようで、石膏で作られた台座をクッションにして厳重に保管されています。
直置きでは自重に耐えられないからだと思いますが、これも震災等への備えの一部なのかなと想像します。

クリーニングに薬品を使うようになってからは化石の色合いの変化も少なくなったようで、その違いも観ました。
吻部以外(手作業のクリーニング箇所)は白くなっていましたが、薬品を使いクリーニングをしたという吻部は鮮やかな色を保っていました。

アメリカのデスモスチルスの歯も観ました。
ジャポニクスと比べてみると歯の大きさが全然違うのがよくわかります。
「海苔巻き」も良く見えますね。

微化石

顕微鏡を使って観察するような小さな化石。
微化石は収蔵庫内の化石標本中、約14万点あるそうです。
久保田先生に案内していただきました。

微化石からわかること

微化石を観ると時代や環境がわかります。
目で見てすごさがわかるものではないけれど、地球環境を理解するうえでとても大切。久保田先生が微化石の研究を始めたのは「気候変動に興味を持っていたから」と話されていました。

はぎ取り標本

資生堂パーラーで展示されたはぎ取り標本『生きる地層』。
2022年、資生堂開業150周年を記念してウィンドウアートとして展示されました。
(私は都合が合わず、観に行けませんでした…)
今回はバックヤードツアーでそのはぎ取り標本が観られてびっくりしました。

ツアーのために通路に出していただいていたのか、もともと運び込まれた場所が通路だったのか、そこまではわかりませんでしたが、その大きさに少し圧倒されました。
ウィンドウアートの展示が終わった後の保管場所をどうするかとなったときに、この収蔵庫に運び込まれたようです。

この中には微化石が大量にあるらしいです。

ボーリング試料

円柱状の試料が積まれていました。
収蔵される対象によっては異なるものの、本来は冷蔵保管が望ましいようです。
(乾燥が始まってしまうため)
世界情勢の緊迫により、現在は収集が難しいものも多数。
ロシア国境付近やインドの試料は今となってはかなり貴重なものです。

微化石の観察

放散虫の拡大模型(イメージ)

注釈.これは群馬県立自然史博物館で展示されている放散虫の拡大模型で、研究施設で撮影したものではありません。

収蔵庫の通路に5台の顕微鏡が用意されていて、微化石の説明パネルもありました。
ラックの中にも数多くの微化石が収蔵されていましたが、それだけでは様子が分かりにくい部分もあるので、拡大して観られるようになっていたのが良かったです。

アンモナイト化石

最初はラックのほんの片隅にしかなかったというアンモナイト。
今は端のほうまでびっしりです。
重田先生に案内していただきました。

大型アンモナイトの運び方

大型化したアンモナイト(イメージ)

注釈.これは栃木県立博物館の企画展「アンモナイトの秘密~太古の海の不思議な生き物~」で撮影したもので、研究施設で撮影したものではありません。

ラックとは別で床置きされた化石がありました。
ここで重田先生からクイズ。


小さいアンモナイトは持って帰れますが、大きいものを見つけたときはどうやって持ってくるでしょうか?


参加者はみんな首を傾げながら考え、答えます。
答えは「割って運ぶ」が正解だったのですが、解説だけではなくて参加型のツアーになっていたのが面白かったです。

ふ化直後のアンモナイト化石

ふ化直後のアンモナイト化石もありました。
肉眼では目を凝らさないと見えないようなサイズ感でしたが、顕微鏡で観ると隔壁が確認できるようです。
幼殻の密集化石もとても面白かったです。
ふ化直後のアンモナイト化石と同じくらいのサイズのつぶつぶが密集しています。

博物館では成長したアンモナイトを観ることは多くても、これはなかなか観る機会がないですね。

収蔵庫内の自由行動時間

バックヤードツアーの後半は少しだけ自由行動時間がありました。
収蔵庫の好きなものを観てもOK、撮影してもOK。(公開はNG、自分で楽しむ分にはOK)
スペシャルな時間です。

個人的にはここ数ヶ月(主にポケモン化石博物館を観てから)でアンモナイトが観たい気持ちが強くなっていたのでアンモナイトが収蔵されているラックに釘づけ。
重田先生とのお話しで時間を使わせていただきました。

収蔵されたラックの引き出しには時代も書かれていました。
「devonian」と書かれていたり「ジュラ紀」と書かれていたり。

表記には揺れがあるようです。

開け閉めを繰り返していると、「?」マークのついた、ラベルともメモともわからない紙の挟まったアンモナイトがあったのが気になりました。
これは同定ができていないというのもあるらしいのですが、個人寄贈のものだったりデータベース化できていないものだったりで不明点がまだまだ多いとのこと。

重田先生と観ていると収蔵庫のこともアンモナイトのこともたくさんのことを知れてとても楽しい。
こういうのが観られるのはいかにもバックヤードという感じがします。


「そろそろ戻ります」


甲能先生のその言葉で我に帰りました。

えっ!?
デスモスチルスのホロタイプをまだ観てない!!

大慌てでした。


「あのぉ…デスモスチルスをもう一度だけ見たいのですが…」


10秒だけ、とのことですが観ることができました。
このホロタイプ、写真に収めないと絶対に後悔すると思っていました。ギリギリでしたが撮影できて良かったです。
無理言ってホントすみませんでした。
ありがとうございました。

収蔵庫を出る直前にはカマラサウルスの上顎骨らしき化石を発見。
おぉ!!!
一瞬チラッとだけ見てツアー終了です。

バックヤードツアー終了後

バックヤードツアー記念写真

注釈.ブログへ使用が許可された唯一の写真です。

バックヤードツアーが終わると記念撮影タイム。
研究者の皆様との写真撮影が始まりました。
木村先生とお会いできたのも久しぶりでした。

思わず舞い上がってしまうお土産もあり、終始ニヤけてしまいます。

お土産というのは「サイン色紙」。

科博の研究者8名の直筆イラストとサインが書かれています。
驚きなのが順番がバラバラということ。
つまりは参加者に渡ったサイン色紙が全て『一点物』。

参加者一組に1枚のプレゼントです。
これは一生の宝になりますね✨

まとめ

バックヤードツアー化石コース。
たくさんの化石と収蔵庫の設備が観られてとても面白いツアーでした。
デスモスチルスのホロタイプをはじめ、貴重な化石を観られて、参加できて、本当に良かったです。

今回はクラウドファンディングのリターンということで8月の開始からずっと気になっていました。

国立科学博物館が日本の科学史にどのような役割を果たしているのか、もしこの収蔵庫にある化石が失われたらどうなるのか、目で観たことで未来に残さなければいけない理由がはっきりとわかりました。

『#地球の宝を守れ』

個人レベルの力でできることは少ないかと思いますが、第一歩として博物館の魅力を伝えることは私にもできるかもしれません。
これからもブログを通して博物館、古生物学の応援をしていきたいと思います。

貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。

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